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卒論(特別研究)課題例(2021年度)

1. 小規模水供給システムにおける限定的な情報に基づく飲料水の安全確保法

 地元管理されているような小規模水道では、浄水処理や消毒が十分でない場合も少なくない。たとえ塩素消毒が行われていなくても、利用者は、もちろん清浄な水を使用できていると考えているし、通常、感染症の流行などが起きるわけでもない。このような状況下において、都会に出た人が帰省した際、しばらく滞在していると、同行した子供(孫にあたる)がおなかをこわすことがあるという。本研究では、細菌および原虫を取り上げ、水質に関する限定的な情報の下で、安全な飲料水をいかに確保すればよいか、そのアプローチ方法を提示することを目指す。

2. 水道水源における病原微生物のスクリーニング手法の開発

 これまで水道水の微生物的安全性は、大腸菌等の指標微生物や特定の病原体に的を絞って評価されてきた。しかし近年は分子生物学的手法の進歩が著しく、水中に存在する微生物を網羅的に検出することが可能となりつつある。本研究は、最新の遺伝子解析を駆使して多種多様な細菌の遺伝子配列を網羅的に解読することで細菌群集の組成を把握し、さらには病原細菌を高精度に一斉検出する手法を構築する。今年度は実験とデータ解析の両面から手法の改善に取り組む。本手法の適用によって水源における病原細菌の分布特性を把握し、水道水の微生物リスク管理の高度化に役立てる。

3. 次世代高度浄水処理システムの総合機能評価

 微量汚染物質制御を目的として、オゾン処理と生物活性炭処理からなる高度浄水処理プロセスの導入や、オゾン処理を促進酸化処理に置き換える等の検討が国内外で進みつつある。その一方で、生物活性炭からの生物漏出や新規納入される活性炭の品質変化などが近年指摘されている。本研究では、粒状活性炭の劣化特性、生物活性炭からの動物プランクトン等の漏出、オゾン処理から促進酸化処理への変更等に着目し、一つの単位処理が浄水処理システム全体に及ぼす影響を微生物と化学物質の両面から評価し、望ましい次世代高度浄水処理システムのあり方を提示する。

4.消毒副生成物前駆体の同定とその制御

 消毒副生成物の前駆体には人為由来のものと天然由来のものがあるが,いずれの場合もその特定は難しいとされてきた。本研究では分画技術や精密質量分析を駆使し、溶存有機物のうち特に藻類に由来する有機物や親水性の高い溶存有機物中のハロ酢酸前駆体や下水中のN-ニトロソアミン類の前駆体、さらには人為由来化合物のうち塩素処理後の臭気(カルキ臭)の前駆体となるものの特定に取り組む。あわせて、これらの前駆体の物性や浄水処理プロセスでの挙動を把握するとともに、その制御に適した処理条件を探索する。

5.給配水システムにおけるレジオネラ属菌の制御

わが国では塩素消毒によって水道水の微生物リスクが管理されている。しかし、給水システムの末端では水の滞留傾向や高水温、残留塩素の消失によって病原微生物の再増殖が問題となる場合がある。本研究は病院や高齢者施設等で水系感染症を引き起こすレジオネラ属菌に焦点を当て、室内実験や実態調査、リスク評価手法等を駆使してレジオネラ制御のためのリスク管理手法を描きだす。今年度は塩素との接触頻度の影響や給水管内でのレジオネラ/宿主アメーバの存在実態にも注目しながら実験及び調査を行う。

6.需要変動対応型上水道システムの構築手法の体系化

わが国の上水道が抱える今日的課題のうち、人口減少とそれに伴う水需要の減少に対応するためには、水道システムを適切にダウンサイジングさせることが必須である。本研究は、上水道システムにおけるダウンサイジング手法を統合し、これを体系化することを目的とする。対象は、浄水施設、配水池、配水管に大別できるが、それらを将来の需要変動に容易に対応できる施設・設備とする。この際、そのシステムにふさわしい、新型浄水処理装置の導入についても検討する。さらに、人口減少社会の到来は近未来における世界各国の姿でもある。ミャンマー・バゴー地域に計画中の新都市をとりあげ、上記手法の適用を試みる。